前項の審美基準についての考え方が背景となります。
実際の臨床(治療)の現場では、
歯の位置に制約がある中で、
● 歯の傾斜を変えるだけで十分な見た目の変化があるか!?
● どうやって前歯における歯の大きさを整えた上で左右対称にするか!?
● 歯肉のラインは可及的に左右対称になっているか!?
の3点が大きな問題となります。
歯の位置の制約が結果にどういう影響を与えるのか!?
という問題を、どのように解決するかがポイントになります。
歯の位置(歯槽骨の中に植わっている歯根の部分ですね)に問題が無く、歯冠(歯肉よりも上の見える部分)の向き・傾き・大きさを修正すれば、綺麗な歯並びになるという場合は一番問題がありません。
そのまま対象となる歯だけを削って、通常は審美歯科的にセラミック・クラウンなどを被せて治療します。
しかし、歯の位置に問題があって、そのままではどうしても左右対称に綺麗な歯並びになれない場合が問題です。
歯が全てそのままの位置にあっては、制約が起きすぎてアンバランスになって、左右対称性を獲得できない訳ですね。
そういう時は一般に次のように考えます。
歯並びから懸け離れた場所に少数の歯が存在する場合や、現在の歯並びの正中が大きくズレている場合などは、
必要であれば左右対称性を大きく崩す元になっている歯を抜歯してから、審美歯科的にセラミック・クラウンやブリッジを被せて治療します。
歯肉ラインや歯の位置のズレを抜歯せずに修正したい場合などは、矯正歯科治療の助けを借りて歯の位置を是正した上で、審美歯科的にセラミック・クラウンなどを被せて治療します。 矯正歯科と審美歯科とのコラボレーションというわけです。
Copyright (C) 2008 saa-dental clinic. All Rights Reserved
クイック矯正の背景となる基本的な事柄について説明しています。